《なにものかへのレクイエム(独裁者はどこにいる1)》2007年
「21世紀の独裁者は、悪人の顔をしていません」
チャールズ・チャップリンの映画「独裁者」をベースとした森村泰昌の「独裁者を笑え」。
左右に二分されたスクリーンでアドルフ・ヒトラーを風刺した人物が交互に演説を唱える映像作品だ。多くの犠牲を出した第二次世界大戦から60年以上が経った今も、変わらずどこかで銃声は鳴り響き、人類を滅亡させるほどの破壊力を持つ兵器は地上に眠ったままだ。
20世紀の独裁者の「顔」をアドルフ・ヒトラーだとするならば、21世紀の独裁者はどうだろう。私たちの隣人かもしれない。森村は続ける。
「あなたは家族や恋人や友人に対する独裁者になっていないか」
今年一月から兵庫県立美術館で行われていた森村泰昌氏の「なにものかへのレクイエム―戦場の頂上の芸術―」を見に行ってきた。一度は昨年に東京の写実美術館で見たが、この「独裁者を笑え」をもう一度見たくて神戸まで足を運んだ。
森村氏といえば著名な人物や名画に自ら化けたポートレート写真作品が有名だが、今回は「20世紀を駆け抜けた著名な男性」に焦点を当てた作品展となった。今回の展示作品は映像・写真作品あわせて43作品。その全てに森村からの力強いメッセージが込められているように思う。
20世紀を駆け抜けた男達への「鎮魂歌」。
機会があればもう一度彼らに会いたいものだ。

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