2010/04/25
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「不思議の国のアリス」と言えば、ルイス・キャロルの名児童文学作品だ。姉と二人で川のほとりにいたら、白い兎が目の前を横切って、それを追い掛けて穴に落ちて―…。誰もが一度は読んで聞かせて貰った事があるだろう、「不思議の国のアリス」。そのアリスの世界を、ティム・バートン監督、ミア・ワシコウスカ主演、更に19歳になったアリスの世界という設定で新しく描く今回の「不思議の国のアリス」。優秀だった父親が死に、家の存続のためにお腹が緩くて面白くない男、ヘイミッシュから求婚されたアリスは、婚約パーティーの途中で服を着た白い兎を追い掛けて逃げ出してしまう。そこからはティム・バートンお得意のどこか不気味で不思議な世界観で、10年後の不思議の国を演出するのだが、中でも突出して魅力的だったのがヘレナ・ボナム=カーター演じる赤の女王だ。アン・ハサウェイ演じる白の女王の姉、そして10年後の不思議の国を恐怖で支配する赤の女王。頭だけが瘤のように大きく、傲慢で、不条理な暴力で不思議の国を統べる。だが、何が彼女を暴力へと駆り立てたのだろうか?美しく、殺生を好まず、誰からも愛される妹の白の女王。それと対極に位置する自分。醜く、誰からも愛されず、また、愛し方も知らない赤の女王。彼女の一番のコンプレックスは恐らくその奇形の容姿であろう。彼女を取り巻く側近たちは皆、どこか体の一部分だけが大きい奇形だったが、それも全て女王の反感を買わないための偽りの姿だった。誰の目から見ても不条理なのは赤の女王で、正義は白の女王にあると思われるが、私は個人的に赤の女王に好感が持てた。何と言っても、殺生はせぬと言っておきながら、笑顔でアリスに剣を握らせる白の女王ほど恐ろしいものはない。腹の黒さで言えば妹の白の女王に軍配が上がる。出来すぎる妹を持つと苦労する、とでも言うのだろうか。
さて、作中で、ジョニー・デップ扮するマッド・ハッターがアリスに「Why is a raven like a writing-desk?(カラスと机は何故似ているか?)」と問い掛けるシーンが何度か出てくる。原作にも登場する言葉遊びらしいが、吹き替えと原文の間に立ちふさがる壁がここにも、と言った感じだ。答えは”Because it can produce a few notes, though they are very flat; and is never put with the wrong end in front!'ブリティッシュジョークって「なるほど!」と感心してしまうばかりで、面白いと思えないのはまだまだ修行不足なのか、それとも根本的な文化の違いなのか。ともかく、アリス・イン・ワンダーランド、赤の女王に注目。
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雑記
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